ひさぎ(アカメガシワ)

トウダイグサ科 落葉高木・雌雄異株・花期6〜7月
万葉仮名 -- 久木

アカメガシワ雌花 2010.7.8 淡路市で

ぬばたまの 夜のふけゆけば 久木生(ひさぎお)ふる
清き川原に 千鳥しば鳴く

山部赤人 [万葉集] 巻六925

アカメガシワ新芽
 
「久木(ひさぎ)」は赤芽柏のことで、暖温帯の山野に生え、生長が速い。
赤芽柏の名は新芽が紅色で美しいことからついた。
夏、黄色の小花が多数集まって円錐状に咲く。
秋、果実が熟すと、中から黒紫色の丸い種子が3個でる。
大きな葉は昔から「柏」と同じように、食物をのせるのに使われた。
「五菜葉」や「菜盛葉」「飯盛葉」などと呼ばれる。
民間薬として、葉の煎汁を痔に外用し、また新鮮な葉汁を腫物の吸出しや痛み止めとして外用する。 樹皮はタンニンなどを含み、胃酸過多、胃潰瘍などの治療に用いられる。
果実と葉から赤色染料がとれる。

新芽の写真は、雨上がりに撮ったので葉が濡れて光沢が出ているが、実際は光沢がない。
 
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くれなゐ(ベニバナ)

キク科 二年草(越年草)・花期6〜7月
万葉仮名 -- 紅、呉藍、久禮奈為

切り花のベニバナ

紅(くれなゐ)の 深染めの衣(きぬ) 色深く
染(し)みにしかばか 忘れかねつる

[万葉集] 巻十一2624
 
紅花(ベニバナ)は、西南アジア原産のキク科二年草。 サフラワーともいう。
日本へは推古天皇の時代に朝鮮半島を経て渡来。
花から紅をとるほか、薬用にも栽培された。
古くはスエツムハナ(末摘花)、クレノアイ(呉の藍)とも呼ばれ、「末摘花」は「源氏物語」の巻名にもなっている。

現在は山形県最上川中流域を中心に栽培されているようで、県花に選定されています。
初夏に橙黄色のアザミに似た花をつけ、日がたつと赤色に変わる。
葉はアザミに似てとげがある。 とげが作業者の肌を刺すので、早朝または朝露の乾かないうちに花を摘む。
この花が淡い黄色に、または鮮やかな紅色の染料になり、口紅などの化粧品、漢方では婦人病薬に利用される。

1花に10〜100個の種子が実り、種子は紅花油を含み上等の食用油となる。
また、この油を燃やしたすすを集めて作った墨は紅花墨と呼ばれ、高級品。
切り花やドライフラワーにも使われる。
 
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くり(クリ)

ブナ科 落葉低木・雌雄同株・花期6〜7月 果実収穫9〜10月
万葉仮名‐- 栗、久利

クリの木 2010.6.21 民家の庭先

三栗(みつぐり)の 那賀に向かへる 曝井(さらしゐ)の
絶えず通はむ そこに妻もが

[万葉集] 巻九1745

クリの花
 
「三栗」は、一つのイガの中に三つの実が入っている栗のこと。
歌では真ん中の実を地名の「那賀」(なか)にかけた枕詞に使っている。

日本各地の山野に自生する柴栗(シバグリ)は栽培栗の原種。
日本栗の栽培種、丹波栗は大粒で味がよい。
花は雌雄異花、強い匂いを放ち虫を呼ぶ虫媒花。
白黄色の尾状の花穂の雄花、雌花は雄花の元に付き、殻斗(かくと)に包まれ、発育してイガとなる。
栗は縄文時代の遺跡から出土しており、古くから重要な食糧とされた。
 
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うのはな(ウツギ)

ユキノシタ科 落葉低木・花期5〜6月
万葉仮名 -- 于花、宇花、宇能花、宇能波奈

ウツギ 2010.6.25 六甲山で

卯の花も いまだ咲かねば ほととぎす
佐保の山辺に 来鳴きとよもす

大伴家持 [万葉集] 巻八1477

ウツギの花
 
「卯の花」はウツギのことで、山野や谷間などに自生する。
卯月(旧暦4月)に咲くことからこの名がついた。
ウツギは、幹の中が空洞になっているので「空木」(ウツギ)と書く。
花弁は5枚で細長く、大きさ2cmほどの白い花、枝先で円錐状の花房になって咲く。
ウツギの枝や葉、果実(種子)には解熱や解毒作用があり、民間薬にも使われている。

先日、六甲山で白いウツギがたくさん咲いているのを見た。
ウツギの花を近くでしげしげと見たのは、初めて。
小学唱歌「夏は来ぬ」で、「うの花のにおう垣根に………」と歌われている。
が、匂いは感じなかった。
 
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たけ(タケの総称)

イネ科
モウソウチクは多年生常緑竹・筍は4月
万葉仮名 -- 竹、多気

孟宗竹・筍  伊丹昆陽池公園で 2009.5.2

み園生(そのふ)の 竹の林に うぐひすは
しば鳴きにしを 雪は降りつつ


大伴家持  [万葉集] 巻十九4286
 
[万葉集]には、竹に関する歌が20首ほど詠まれているが、純然たる植物としての竹を詠んだ歌は4首のみ。
残りの歌は、直接的に竹を詠んだのではなくて、比喩として、枕詞として使われたり、それを材料にして作られた祭具、「竹玉」「竹珠」について歌われたりしたものばかり。

万葉集に詠まれたのはどんな竹だったのでしょう ・・・?

普段よく見かける竹は、真竹(マダケ)、淡竹(ハチク)、孟宗竹(モウソウチク)。
孟宗竹は中国原産で渡来したのは確か。真竹、淡竹は中国からの渡来説と、日本原産説に分かれているようです。
今、これらの竹は、日本原産と見誤られるほど全国各地で繁殖している。
日本原産のものは、篠竹(シノダケ)、業平竹(ナリヒラタケ)、阿亀笹(オカメザサ)など。

竹は主として地下茎で無性的に繁殖し、開花はきわめてまれ。花はイネの花に似る。
真竹は、記録によると約120年を周期として全面的に一斉に開花し枯死するが、開花してもほとんど種子ができない。
孟宗竹は、ふつうは一部分だけの開花だが、ときには竹林の竹が全て一斉に花咲き、種子ができる。
おみな は以前に、竹林一面が枯れているの遠目に見たことがある、竹の種類は分からないけれど・・・
竹の大開花の原因については、まだ十分解明されていないようです。
(平凡社大百科事典 参考)
 
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つつじ(ツツジの総称)

ツツジ科
ヤマツツジは常緑、半落葉低木・花期4〜5月
万葉仮名 -- 茵、都追慈、管士、管仕、管自

ゴヨウツツジ(シロヤシオ)六甲高山植物園 2009.5.14

風早の 美保の浦廻(うらみ)の 白(しら)つつじ
見れどもさぶし なき人思へば


河辺宮人  [万葉集] 巻三434
 
[万葉集]では白つつじ、石(いわ)つつじ、丹(に)つつじの名でも「つつじ」が詠まれている。
「丹つつじ」は赤系のつつじ。 赤系のつつじを歌ったのは一首のみ。
清楚な感じの白花が好まれたのでしょうか?
 
キリシマツツジ 長岡天満宮 2009.4.23
(キリシマツツジ 長岡天満宮 2009.4.23)
 
躑躅(ツツジ)には種類が何百種もあり、それらの総称です。
とくに日本は北海道から九州まで自生している種類も多く、庭園樹に多く利用されている。
初夏の山を彩る代表的な「ヤマツツジ」は、花色も紅、橙、桃、紫、白色といろいろ。
野生種でよく知られているものに、コメツツジ、ミツバツツジ、モチツツジ、レンゲツツジなどがある。
また、キリシマ、ミヤマキリシマ、ウンゼンツツジ、ヒラドツツジ、クルメツツジなどと、地名のついたのもある。
因みに、家の庭にはヒラドツツジのオオムラサキ(大輪の紅紫色)が咲いている。

つつじ 今まで訪ねたツツジの名所 つつじ

* 京都・長岡天満宮 --- 『長岡天満宮・・キリシマツツジ・・

* 西宮・広田神社 --- 『コバノミツバツツジ群落・***・広田神社

* 京都・梅宮大社 --- 『梅宮大社の「キリシマツツジ」と「まろや」

* 雲仙・仁多峠 --- ミヤマキリシマ 『長崎ピックアップの旅・・仁多峠・・

* 奈良・葛城山
 
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にこぐさ(アマドコロ)

ユリ科 多年草・花期4〜5月
万葉仮名 -- 似古草、爾古具佐、爾故具佐、和草

アマドコロ 六甲高山植物園 2008.5.25

葦垣の 中のにこ草 にこよかに
我と笑(ゑ)まして 人に知らゆな


([万葉集]巻十一2762)
 
「にこ草」は柔らかい草の意味。
「にこ草」を「甘野老(アマドコロ)」とする説や「箱根草(ハコネソウ)」とする説がある。
「箱根草」は箱根羊歯とも呼ばれる常緑多年草のシダ植物。

甘野老(アマドコロ)は、野老(トコロ)(ヤマイモ科)に似た根茎がある。
トコロのように苦くはなく、甘みがあるのでこの名がついた。
鳴子百合(ナルコユリ)と似ているが、茎に稜があって角ばっているのが特徴。
葉は幅が広く、鳥が羽ばたいた形のようについている。
花は葉腋に1、2個下垂し、花筒は白色で長さ1.5〜2cm、先は緑色を帯びている。
小さな丸い実がサクランボのように二つずつぶら下がって生るが、この実は有毒。
若芽(茎)や根茎は食用になり、甘煮や天ぷらにされる。
また、根茎にはアマドコロもナルコユリも同じ薬用効果があり、滋養、強壮剤にされる。
 
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ゆづるは(ユズリハ)

ユズリハ科 常緑高木・雌雄異株・花期5〜6月
万葉仮名 -- 弓弦葉、由豆流波

ユズリハ  万博公園 2010.4.30

あど思(も)へか 阿自久麻山の ゆづるはの
含(ふふ)まる時に 風吹かずかも


[万葉集] 巻十四3572
 
「ゆづるは」は譲葉(ユズリハ)のこと。
譲葉は、春、新芽が苞につつまれて枝先につき、花の蕾ように見える。
新葉は若草色で枝先に集まり、紅色の長い葉柄がくっきりと見え出すと、濃い緑色の古葉との差が目立つ。
若い葉が育ち、一人前になるのを見とどけてから、古葉が「譲る」ように落ちるので、この名がある。
初夏、黄緑色の小さな花が房状に咲くが、葉に隠れていて気づかないことが多い。
秋、小粒の実が黒みがかった藍色に熟す。
親から子へ世代を譲る常磐木として、縁起のよいめでたい木とされている。
 
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かきつはた (カキツバタ)

アヤメ科 水湿地に群生する多年草・花期5〜6月
万葉仮名 -- 垣津幡、垣津旗、垣幡、加吉都播多

カキツバタ 六甲高山植物園で

かきつはた 衣(きぬ)に摺り付け ますらをの
着襲(きそ)ひ狩する 月は来にけり


大伴家持 [万葉集] 巻十七3921
 
杜若(かきつばた)の名は、花汁を布に摺り付けて染めたことから「書付け花(かきつけばな)」と呼ばれたが、その後、かきつばな、かきつばた、と転訛したのだといわれている。
燕子花(かきつばた)とも書く。

アヤメの仲間は、どの花もよく似ています。
カキツバタとアヤメの違いは ・・↓

カキツバタ
カキツバタ生育地 - 湿地 浅い池
葉 - 巾1〜3cm 主脈は不明瞭
外花被片 - 中央部は黄色を帯びる
内花被片 - 細長く直立

アヤメ
生育地 - 乾燥地
葉 - 巾0.5〜1cm 主脈は不明瞭
外花被片 - 網目模様
内花被片 - 小型で直立
(カキツバタ)

杜若は気品があって優美なので、古くから詩歌や物語、絵画、美術工芸、焼物などによく登場している。
尾形光琳画の「燕子花図屏風」は、日本万国博覧会記念切手(1970.3)になっている。
 
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やまぶき (ヤマブキ)

バラ科 落葉低木・花期4〜5月
万葉仮名 - 山吹、山振、夜麻夫伎、夜麻夫枳、夜末夫吉、也麻夫支

ヤエヤマブキ 京都・松尾大社

花咲きて 実は成らねども 長き日(け)に
思ほゆるかも 山吹の花


[万葉集] 巻十1860


山振(やまぶき)の 立ち儀(よそ)ひたる 山清水
酌みに行かめど 道の知らなく


高市皇子 [万葉集] 巻二158
 
山吹(ヤマブキ)は日本全土に分布し、山間の谷川沿いなどに自生しているが、万葉のころから庭などに植えられていたようで、歌から、実のならない八重咲き種があったことがうかがえます。
ヤマブキは、黄金色を ”山吹色”といわれるほど、鮮やかな黄色に咲く。
山の谷間で、枝垂れた枝が風に大きく振れるさまから「山振(やまぶき)」と呼ばれたのが語源といわれている。

ヤマブキには「一重」「八重」「菊咲」があり、八重咲きのヤマブキに種子は実らない。

松尾大社 シロヤマブキ
同じバラ科で、ヤマブキと別属の
白色4弁花の「シロヤマブキ」がある。
シロヤマブキには種子が実るようで、
山吹の名所、京都・松尾大社へ参拝の折、
「清めの白山吹」として、
種子が授与されていました。

 
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